患者数が年々増え続けている認知症。
内閣府の高齢社会白書によると、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると推計されています。食生活は認知症のリスクと関連することが分かっており、食品や食品成分を認知症の予防に活用することを目指した研究が世界中で行われています。
今回は、食事から認知症予防へのアプローチ方法をお伝えします。
世界中から、和食が認知症予防に効果的であることが注目されており、特に健康寿命の延長や疾病予防にも寄与していると言われています。
和食
1980年代の和食がバランスの良い食事と言われています。和食のイメージとしては、旅館の朝食です。例えばご飯、味噌汁、漬物、お浸し、鮭、大根おろし、玉子焼き、納豆、海苔、海藻類と、一汁三菜を目指すと栄養バランスが整うと言われています。
野菜と脳機能の改善
野菜を多く摂ることは、脳機能改善に寄与し、認知症予防に効果的です。特にキノコの摂取はリスクを低下させるという研究結果があります。えのき、えりんぎ、まいたけ、しめじ、しいたけなど、バラエティ豊かに毎日摂ることをおすすめします。
緑茶の抗酸化作用
緑茶に含まれるカテキン類は、強力な抗酸化作用があり、アンチエイジングや脳機能の低下抑制に寄与します。気軽に飲める緑茶で認知症予防ができるのは嬉しいですね。
オメガ3脂肪酸の必要性
オメガ3脂肪酸は脳機能を改善する上で重要です。魚介類には豊富なオメガ3脂肪酸が多く、その中でも脂ののった青魚から摂取できます。毎日の食事に組み込むことがおすすめで、魚介類以外ではえごま油や亜麻仁油を摂る習慣をお勧めします。えごま油や亜麻仁油は加熱すると酸化してしまうので、加熱せずに、サラダなどにかけて摂るようにしてください。
フェルラ酸とポリフェノール
「フェルラ酸」はポリフェノールの一種で、認知症予防に期待されています。イネ科の食物に多く含まれていると言われていますが、その中でも、特に大麦がおすすめです。
また、白米にも多少は含まれているのですが、玄米の方が多く含まれています。白米の場合は、大麦を3割程度入れて炊くと、フェルラ酸も習慣的に摂れると言われています。
ノビレチン
シークワーサーに含まれるフラボノイドの一種「ノビレチン」には、血糖値の上昇を抑える働きがあることがわかっています。さらに、ノビレチンは発が ん抑制作用や、慢性リウマチの予防や治療にも効果があることもわかり、シークワーサーは一躍、全国的にも有名になりました。「ノビレチン」は柑橘系の植物に多く含まれる成分ですが、飛び抜けて含有量が多いのがシークワーサーです。沖縄の健康長寿もシークワーサーの恩恵ではないかと注目されています。
同じ柑橘系の温州ミカンではノビレチン含有量が100g中24mg、カボスでは89mg、ポンカンでも127mgなのに、シークワーサーには、なんと267mgも含まれています。
アントシアニン
「アントシアニン」は、紫色の成分で、フラボノイドの一種です。
食材として、ブルーベリー、紫キャベツ、紅芋に多く含まれています。
「アントシアニン」をよく食べている人は認知症リスクが76%下がったという報告があります。ただ、吸収率が良くないので多めに食べることがおすすめです。
これらの食品を積極的に取り入れ、認知症予防に努めましょう。
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